日本人の本性
2008年 06月 27日
今日出海著「悲劇の将軍」(中公文庫)読了。
読者を引き込むほどの文章力は無く、さほどの読後感を持たせる書ではありませんでしたが、一点だけ気になる箇所がありました。
著者によると、フィリピン人の対日感情は、フィリピン侵攻直後はあまり悪くはなかったそうです。
それが、マッカーサーによるフィリピン奪回作戦が始まる前の時点で既に、対日感情は最悪の域に達していました。
何故か。
米軍を追放してから再び迎え撃つまで、現地日本軍は上下を挙げて酒池肉林に耽り、現地人の感情を逆撫でする行動ばかり取っていたからです。
愚かと言ってしまえば簡単です。
演習以上に上手く事が運んだからと言うのも理由になりません。
当時の日本人の「理想郷」がそこにあったからです。
日本は何の為に戦争に打って出たのか。
それは一向に改善しない国内情勢に愛想が尽きたからです。
それほど、日露戦争以降の日本は、ごく一時を除き、閉塞感に包まれていました。
絶望と怨嗟から解放される唯一の道、それが海外進出だったのです。
簡単に言えば、戦前の日本人は精神の平衡を失っていました。
それほど絶望と怨嗟が深かったのです。
日露戦争以降満州事変勃発までの時期の日本、それは苦境にある時の日本人の本性を表現して余りありません。
(了)
読者を引き込むほどの文章力は無く、さほどの読後感を持たせる書ではありませんでしたが、一点だけ気になる箇所がありました。
著者によると、フィリピン人の対日感情は、フィリピン侵攻直後はあまり悪くはなかったそうです。
それが、マッカーサーによるフィリピン奪回作戦が始まる前の時点で既に、対日感情は最悪の域に達していました。
何故か。
米軍を追放してから再び迎え撃つまで、現地日本軍は上下を挙げて酒池肉林に耽り、現地人の感情を逆撫でする行動ばかり取っていたからです。
愚かと言ってしまえば簡単です。
演習以上に上手く事が運んだからと言うのも理由になりません。
当時の日本人の「理想郷」がそこにあったからです。
日本は何の為に戦争に打って出たのか。
それは一向に改善しない国内情勢に愛想が尽きたからです。
それほど、日露戦争以降の日本は、ごく一時を除き、閉塞感に包まれていました。
絶望と怨嗟から解放される唯一の道、それが海外進出だったのです。
簡単に言えば、戦前の日本人は精神の平衡を失っていました。
それほど絶望と怨嗟が深かったのです。
日露戦争以降満州事変勃発までの時期の日本、それは苦境にある時の日本人の本性を表現して余りありません。
(了)
by dokkyoan
| 2008-06-27 21:37