岩波文庫解説目録

手元に2005年版の岩波文庫解説目録があります。

岩波書店については、限りない痛罵と心からの尊敬を与えて参りましたが、あらためて解説目録に目を通しても、複雑な感情が心中で交じり合うのが実感できます。


よくぞこれだけの良書を文庫として残してくれたと言う感謝の念。


よくもこれだけの良書を廃版に追い込んでくれたなと言う憎しみの念。

耐えられないのは、「岩波文庫解説総目録」と題した書籍を「文庫」として販売していることです。

解説目録は売り物ではない、決して、決して。

目録は自らの目利きを読者に伝えるための武器です。

しかも、文庫を創刊した1927年にまで遡って「総目録」と銘打って売り物にしている。

それは、どれだけの良書を廃刊に追い込んだかを、自ら証明するようなものではないですか。

己の目利きが、時代とともにどれだけ衰えたかを曝け出すようなものです。

これはかつての良書に対する鎮魂歌ではありません、それらに対する侮蔑行為です。


ただ、ある意味では鎮魂歌です、岩波書店自身の。

(了)
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by dokkyoan | 2008-06-16 21:49