ロシア革命

良書は何度読んでも味わい深く、含蓄に富んでいます。

猪木正道著「ロシア革命史」(中公文庫)を読了。

何度読んでも飽きないですし、その度に新たな感想や疑問が湧いてきます。


本作で猪木氏が繰り返し力説されているのは、ロシアの特殊性、とりわけその後進性です。


ロシアはルネサンスも宗教改革も経験しませんでした。

また、皇帝権力とその周囲のごく一握りの貴族による専制政治が長く続きました。


共産主義革命は、後進性が顕著な国で成立しました。

否、その条件を満たす国家でしか成就しませんでした。

中国もその典型例です。


ところで、日本は何故、共産主義革命を必要としなかったのか。

日本には、ルネサンスも無ければ宗教改革も無く、産業革命も啓蒙運動も上から与えられた点では、ロシアと似通っています。

何がロシアと日本の運命を分けたのか、或いは中国と異なる道を歩ませたのか。


考えてみれば、こんな簡単な設問にも、教科書は答えてくれないし、専門書も回答を与えてくれません。

今、我々に求められているのは、「日本人としての歴史」ではないでしょうか。

(了)
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by dokkyoan | 2008-06-02 17:44