異形の大国 ~承前~
2008年 04月 22日
あまり上品な用語ではないですが、分類の力点がどこにあるのかを理解するうえで便利な言葉です。
日本人の場合、日本人=日本国民を「身内」、それ以外を「他所者」と考える傾向が強いです。
ですから、外人なんて言葉をよく使います。
ところで、国民=「身内」と言う概念を持つ人間は、世界で意外と少ないです。
宗教が判別基準の場合も多いし、民族で分類することもあります。
中国はどうなのでしょうか。
結論から言うと、部族社会です。
歴史書では「宗族」と言う専門用語を使うので、不明瞭な部分がありますが、宗族は部族のことです。
アフリカで時々発生する「部族間対立」。この部族と全く構造が一致しています。
ですから、中国は断じて「国民国家」ではありません。「部族国家」或いは「部族の集合体」です。
そのため、「中国国民」なる概念は、一種の言葉の遊びに過ぎません。
宗族に属しているか否か、それが最大の分類要因となるのです。
ところで、「中国」と言った場合、それは13億人全ての中国国籍の人間全てを指すのか。
異民族は除外するとして、華人に限っても、その大多数を占める貧困層は櫻井女史が言う所の「信じてはいけない人達」に属するのか。
一握りの共産主義者と考えるのはおかしいです。
これまで、チベットに流れ込んできた華人のほとんどは「食い詰め者」だからです。要するに貧困層です。
一体、何処までの範囲を信じてはいけないのでしょうか。
(続く)