ヨーロッパとは何か

増田四郎著「ヨーロッパとは何か」(岩波新書)

およそ四半世紀ぶりの邂逅。内容より懐かしさがこみ上げてくる一冊です。


古代ローマ帝国崩壊の重要な一因として、奴隷制が大きく関わってきた点など、今となっては微苦笑を以って読み流さざるを得ない部分も多々ありますが、もっと提起すべき問題は、「何時までも欧州に拘泥している日本とは何か」という現実ではないでしょうか。


明治維新以降の日本は、それこそ最精鋭の人材を悉く、欧州に派遣しました。

欧州の文明が隔絶していたからです。彼我の国力の差が、問題にならない位甚だしかったからです。

そして、このままでは国家として危殆に瀕することが確実視されたからです。(それは日露戦争で現実になりかけました)

すなわち、全てを放擲しても、日本本来の歴史さえ忘れてでも、吸収すべき知識が眼前に雲霞の如く存在していました。


今はどうでしょうか。

有為の人材を全員、欧州研究のために投入する必要がありますでしょうか。

今はと言うか、彼我の格差が埋められた時点で、日本の研究に精鋭を投じ、自らの生き方の真髄を探るべきではないでしょうか。

海外の知識は、高校の世界史とインターネットで得られる知識で充分です。

もっと内面に目を向け、同じ過ちを繰り返す理由を掘り下げてみる時期に至っていると思います。

(了)
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by dokkyoan | 2008-04-10 17:43