無い袖を振った大英帝国

「イギリス海軍は、戦後の香港、シンガポールの権益保持のために当諸島で戦闘を展開。相当な特攻攻撃を受けた。」

これはWikiの「沖縄戦」の先島諸島の欄に記された説明ですが、沖縄戦において、確かに「空母4隻(イラストリアス(4月のみ)・ビクトリアス・フォーミダブル(4月以外)・インドミダブル・インプラカブル・インディファティガブル)、戦艦2隻、巡洋艦5隻、駆逐艦15隻」からなる大英帝国海軍太平洋艦隊は、米軍隷下の第57機動部隊として沖縄戦に参戦しています。

沖縄戦への参戦はチャーチルがねじ込んだらしく、1945年(昭和20年)4月時点(沖縄戦勃発時点)にこれだけの海軍力を投入すると言うのは、香港、シンガポール、上海と言った「既得権益」死守の表れと理解しても差し支えないと思われます。

因みに英国太平洋艦隊は同国東洋艦隊の下部組織として創設された部隊で、東洋艦隊そのものは(戦後「極東艦隊」と名を改め)1971年まで存続しているのですから、英国人も相当な粘着質です。

その大英帝国の至宝とも言うべき香港、上海、シンガポールは太平洋戦争の終結まで日本軍の軍政下か汪兆銘政権(国民党南京政府)の支配下にありましたので、沖縄戦時点の英国艦隊の拠点は嘗てのセイロンのコロンボ、勿論、米軍からの補給や寄港の便宜は受けたでしょうが、ブルース・フレーザー司令官は豪州で指揮を執っていた事実からも、この時点でコロンボ以東に大英帝国海軍の軍事拠点は皆無に等しかったと言えます。

そしてこれだけの戦闘部隊を展開するには後詰めとして補給部隊が不可欠で、米英はこの時点で中国の戦後処理を巡って火花を散らしていましたから、沖縄戦以降の英艦隊は補給艦の護衛がその主任務だったのではないかと思われます。

そして受け手は遼寧省大連や、山東省の青島、威海衛、煙台と言った軍港と考えられます。

これだと話の辻褄が合います。

(続く)
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by dokkyoan | 2012-07-10 16:08