米英確執延長戦

それにしても、「大」きくもなければ「帝国」でも無くなったと言うのに、英国と言うのはしぶといなあと感心させられたのが次の一件です。


不審死の英国人、英情報会社コンサルタントだった-重慶スキャンダル
http://jp.wsj.com/World/China/node_414989


もう少し真っ当な日本語に訳せないかと言う不満はさておき、英国が太子党(の一部)と繋がりを持ち、重慶にまで情報収集の手を伸ばしていた事実はやはり見逃せません。


大英帝国が中国に於ける事実上の「主権者」であり、列強による分割統治で中国が解体寸前であった頃、大英帝国が手下として使っていたのは所謂「反社会勢力=黒社会」だったと考えられます。(そして少なからず「少数民族」とも重なり合います)

植民地支配の形態は様々ですが、搾取或いは富の強制移転と言う点では共通していますし、その対象はそれまでの主権者、つまり最も富裕であった階層と理解するのが妥当と思われます。

貧乏人から絞り上げるにしても、それはあくまで「結果」又は「結末」であって、強奪する方から言えば富裕層を狙い撃ちする方が効率的ですし、富裕層=それまでの支配者ですから、被支配層からの集金術には長けています。

従って最も効率的な富の吸収装置は他ならぬ国家権力で、事ある毎に難癖をつけて賠償や借款、或いは特権を認めさせ、それを護らせる役割をも押し付けることになります。

但し、戦争ばかりしている訳にも参りませんから、「平時の搾取」方法も用意しておかねばなりません。

面白いのは、(「近世」の定義は少し脇に置いといて)近世的大国であった清朝(=大清)からみれば、上海や香港からは何の価値も見出せず、これらに地政学的価値を見出したのは史上初の「近代的列強」大英帝国だった点です。

「海の覇者」にしてみれば絶好の中国侵略拠点が寒村のまま放置されているのですから、垂涎の的以外に表現の仕様が無かったでしょうが、その読みは正しく、上海と香港は立派に「蠍の両爪」の役割を果たし続けます。

国家において最も生活が不安定で、事業の利益率が小さいのは裏社会です。

家族を含めた福利厚生を眺めれば、それは一目瞭然で、非合法か脱法行為に走るのは食うためです。

ましてや近世から近代への脱皮に失敗し「国民国家」以前の段階に(おそらく今も)留まっている中国で、最下層よりも辛い立場に置かれている輩に、天下国家を論じることそのものが無益です。

それを大英帝国は、働きさえすれば家族共々食わせてくれる、そしてこれは異民族支配の共通点ですが、「被支配民族を平等(?)に差別してくれる」、名家であろうが胥吏であろうが裏社会出身であろうが、英国紳士が中国人を蔑視する点では同じ、この「帝国主義的」態度は、標的にされた階層には苦痛かも知れませんが、社会の爪弾き者からすれば考えられない「厚遇」です。

さて、ここで出てくるのが胥吏です。

大英帝国と清朝、いずれに「忠誠」を尽くしますでしょうか。

(続く)
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by dokkyoan | 2012-04-02 01:32