陰謀説

小誌は陰謀説には与しません。

理由は簡単で、大は国家から小は個人に至るまで、相手を出し抜いたり味方を騙したり、嘘の情報を流したり、良からぬことを企てたりするのは当たり前の話で、陰謀なんて「日常茶飯事」、問題はその陰謀説に信憑性があるかどうかと言う点です。

失敗に終わったり陽の目をみなかった陰謀は多々あると思われ、それは決して歴史に限られたものではなく、個人だってあてはまる事柄で、八百屋の親父も大企業の営業も、安く仕入れて高く売りつける点では「陰謀を廻らせている」点では変わりなく、人生を振り返って陰謀を図ったことのない人はまず皆無と思われます。

ロックフェラーやロスチャイルドは今も世界制覇に向けて陰謀を逞しくしていると言うのが、一部の知識人の支配的な考えですが、それでは「米国最初の財閥」ヴァンダービルドはどうなのか、子孫も含めて皆がお人好しだったのか、要はロックフェラーやロスチャイルドの陰謀ばかりを、その著書で熱心に語る輩は、グゲンハイムもデュポンもアスターもメロンも知らないだけの話です。

せめてこの程度の「陰謀説=大法螺」を打ち上げて欲しいです、「第一次世界大戦は米国の陰謀で勃発した」。


第一次世界大戦が始まるまで、世界の主だった旨みのある部分を独占していたのは大英帝国でした。

インドは文字通り独占、中国は大き過ぎて独占出来ませんでしたが、列強が挙って中国分割に参加し、大英帝国はその中でも抜きん出た存在でした。

中国分割では列強の利害が一致、門戸開放政策を唱える異端児米国は仲間外れにされて何の恩恵もありませんでした。

つまり「全ての列強」対「米国」の構図で、話になりません。


第一次世界大戦に際し、同盟側と協商側で一致していた見解が「短期決戦」、この戦争はすぐに片がつくでした。

つまり普墺戦争や普仏戦争の様な戦争を両陣営共に想定していまして、勝つか負けるかは兎も角、クリスマスには終わっているとの見方が支配的、と言うより長期戦を連想したのはレーニンだけかも知れません。

「海の覇者」大英帝国が列強筆頭の位置を占めていたのは、鉄道が出現するまで、その鉄道を駆使してドイツ統一を成し遂げたのがプロイセンで、まず「陸の王者」として名乗りを挙げます。

ですが両陣営とも鉄道網が充実し切った段階では、鉄道に乗っている間は「高速重装備大兵団」であっても、一旦降りればただの歩兵、つまり「陸の王者」には誰でもなれた訳です。


米国の立場で陰謀を企てるのであれば、短期決戦か総力戦か、其処までは想いを廻らせることは不可能でも、早期終結が叶わないと見るや、宿願であった中国進出は企むのは当然で、其処に米国(資本)と蒋介石との「邂逅」が出現した訳です。

(続く)
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by dokkyoan | 2011-12-11 00:56