中央分権(統一国家)と地方分権(群雄割拠)

前々から気になっていたので、入稿再開を機にWikiで調べたのですが、所謂「広義の欧州(ヨーロッパ)」つまり東はウラル山脈以西のロシアから、西はアイスランドやグリーンランドも含めた欧州の総面積は1千万平方キロメートル、人口は7.3億人でした。

これに対し中国(中華人民共和国)は面積が960万平方キロメートル、推計人口は13.5億人です。

両者の違いは歴然としていまして、面積はほぼ同じなのに人口は中国が2倍、そして最大の相違は中国が「事実上の=細かいところは除く」統一国家であるのに対し、「広義の欧州」は45カ国が分立している点です(バチカンなんかも含めてですが)。

このことは何を意味しているのか、気候や利用可能な土地の比率も考慮すべきですが、特殊要因がない限り「統一国家は国家分立より優る」、これに尽きます。

統一国家は原則として内戦や叛乱がありません。

勿論、現実には発生しますが、国家が健全であれば早期鎮圧が可能ですし、平定するのに時間を要する様では先が見えたと言えましょう。

対して国家分立地帯では、それを一括りにしてみた場合、内乱と叛乱が常態化している訳で、繁栄をもたらすのは平和であることは戦後の日本が見事に立証しています。


欧州と中国を比較した場合、その歴史において大部分は中国の方が先行していました。

古代中華帝国に比すべきは古代ローマ帝国でしょうが、これは「古代地中海帝国」と呼ぶべき代物で、ゲルマン民族は遂に同化し得ませんでしたし、スラブ民族に至っては民族としての自覚があるかも怪しいのですから、民度と言う点で比較になりません。

それでも中国が幾度と無く分裂傾向を示しながらも統一国家を志向したのに対し、古代欧州はローマ帝国の崩壊以降、二度と統一を達成することが出来ませんでした。

中国は異民族と言えども同化すれば片っ端から漢民族扱いしますので、その点でも欧州と異なりますが、いずれにせよ古代から近世に至るまでの両者を比較すると、明らかに中国が優等生です。


ですが20世紀後半には見る影も無く落ちぶれた中国は、文化大革命で自殺寸前まで追い詰められました。

それに対し近代以降は欧州の独壇場と言っても良く、何故そうなったかと言えば「特殊要因」が常態化したからで、その特殊要因とは産業革命であり国民国家の形成でした。

それまでの中国は「質も量も周辺を圧倒」していましたから、例えば康熙帝は北辺に進出した(産業革命前の)ロシアに対し、圧倒的軍事力を以ってこれを撃退しました。

産業革命の意義は「隔絶した質の向上、それに伴う暴力性」が挙げられます。

「海の覇者」大英帝国が最盛期の清朝(=大清)と邂逅した時、清朝の人口は6億人前後だったそうです。

つまり大英帝国はインドを蚕食しつつ、6億人を擁する清朝と対峙した訳で、しかも連戦連勝、従来の概念の「質と量」を根底から崩す衝撃的な出来事でした。

(続く)
[PR]
by dokkyoan | 2011-12-03 01:34