世を毒する言動、空疎な報道・社説・論説等に遠慮仮借なく鉄槌を下します。


by dokkyoan

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臍を噛む大英帝国

EU首脳会議で他の加盟国に言い分を全て呑ませ、返す刀でEU離脱の可否を問う国民投票(6月23日)を決断した英国首相ですが、早くも目算が狂った模様です。

来年末(2017年末)までに実施すれば良い国民投票を、日程を大幅に繰り上げて実施するのは、今なら勝てる(首相はEU残留支持)との計算が働いたからと思われますが、早くも目論見が齟齬をきたしつつあります。

EU内部で英国に「特権的地位」を与えることで合意に達したのも、将来に禍根を残すことになるでしょうが、それを措いても、国民投票で離脱派が勝利すれば、英国の現保守政権は窮地に追い込まれるでしょうし、その場合はEUが英国により「特権的地位」を与えるか、英国がEUを脱退するしかありません。

国民投票まで5か月ほどの時間的余裕がありますが、英国又は他の加盟国で、イスラム過激派によるテロが発生するか、移民や難民による暴動が発生すれば、世論は一気に硬化します。

その様な事態が発生しないと、多寡を括っているのでしょうか、英国首相は。


図体だけは大きいEUですが、所詮は寄り合い所帯、ロシアが本気になって攻勢に出れば、ひとたまりもありません。

勢い、対露外交は宥和的にならざるを得ず、2月16日に「欧州最後の非民主的独裁国家」にして親露国のベラルーシに対する制裁の殆どを解除する方針を明らかにしました。

理由として、ベラルーシの人権を取り巻く環境が好転しているとか、ウクライナ問題の尽力を評価してと言った御託を並べていますが、この東欧の国の人権問題も隣国ウクライナの政情も、何もEUの望む方向に進んでいません。

要はプーチン露大統領に対して胡麻をすった訳で、独露首脳電話会談で捨てられたのが件のウクライナ、この協議で独仏露にウクライナを加えた四か国外相会談の開催が決まりましたが、ウクライナが加わったのは同国の面子を保つためだけです。

これらの一連の動きを見る限り、EUはベラルーシとウクライナにおけるロシアの優越的地位を認めたことになります。

内憂外患でロシアと事を構えている場合ではないと言うのが本音でしょう。

ですから、ウクライナの現政権は19日に一部連立与党が離脱して過半数割れ、国家としては麻痺状態で、ロシアの影響力が浸透することは避けられません。

事態は、英国王室の思惑と逆の方に転がりつつあります。

(続く)

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by dokkyoan | 2016-02-22 09:42

様々な「終焉」

まず、中国人の爆買いですが、今回で峠を越すでしょうね。

ここに来て国際金融界が荒れているのも、その元凶は他ならぬ中国、その主役が春節休暇と称して一週間休場していたのですから、週明けの混乱は必至かと思われます。

これは相互作用なのですが、中国経済の失速が原油価格急落を生み、それがドル安に繋がっているのは言うまでもありません。

その原油ですが、何処まで値下がりするか、まず考えられるのは「イラン次第」と言うこと。

米国(=オバマ大統領)から核武装のお墨付きを実質的に勝ち得たイランを、隣国サウジアラビアは決して許しません。

イランは原油への依存比率が高いのに、他の中東産油国は原油を精製して得た石油製品、更には石油化学製品の生産能力も有していますので、原油価格の下落の衝撃はイランの方が圧倒的に大きいのです。

サウジアラビアとしては、イランが増産に踏み切ったこの時期を利用して、原油価格を引き下げる考えですが、それでは何処まで下げるかと言うと、最低でも限界利益割れ、運転資金も底を突く水準まで押し下げることが予想されます。

とすると、バレル当たり10ドル割れも想定すべきではないか、ここまでくると世界経済も混迷の渦に巻き込まれます。

ドイツ銀行に端を発した信用不安は欧州全体を覆うでしょうし、ベネズエラを初めとする反米産油国も存亡の危機に瀕することになります。

勿論、中国のバブル破裂はこれからが本番、早晩、中央銀行(中国人民銀行)の外貨準備は払底すると考えられます。

留意すべきは中国の場合、表向きの外貨準備の金額と実態とでは大きな乖離が存在すること、要は支配階級が寄ってたかって横領しているのです。

ですから「実際の外貨準備高」を推計しないことには、判断を誤ることになります。

2016年は楽しみな1年になりそうです。

(続く)

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by dokkyoan | 2016-02-13 23:56
マイナス金利を導入した日銀側の思惑は、これによって為替が円安に振れ、それを好感して株高に転じるとの読みだったかも知れませんが、その目論見は外れつつあります。

確かに瞬間的には思惑通りに推移したものの、これ程の短期間で効果が薄れるとは想定していなかったと思われます。

何故か、「余剰円」と「余剰ドル」では桁違いだからです。


原油取引は原則としてドル建て決済ですので、原油価格が下落するとドル需要が減退することになります。

バレル当たり100ドルを優に超えていた価格が30ドル近辺まで急落したら、為替市場で膨大な余剰ドルが発生します。

その規模は、マイナス金利施行に伴う円売り圧力よりも遥かに巨大ですから、結局は円安は一時的、円高が進展し日経平均は急反落する羽目になります。


早晩消滅するでしょうが、中国人による「爆買い」は今だ健在、最近では海外の不動産や企業も買収の対象になっています。

これぞまさにバブルの最末期症状です。

具体的には、

「中国国内に目ぼしい(=収益が期待出来る)物件が見当たらなくなった」

「海外の物件が割安に思える」

外資が中国から流出しつつあり、それが人民元を減価させていますが、それでも人民元は割高水準、しかもこの先、人民元が更に下落すれば、在外資産には為替差益が発生するとの思惑が生じます。

実はそれが「捕らぬ狸の皮算用」で、最後には虎の子の在外資産も叩き売る羽目になります。


そもそも、今回の世界同時株安の発端は、原油価格の急落とその背景にある中国経済の失速にあります。

とすると、中国バブルが弾けて原油価格が一段安となれば、円安ではなく円高傾向が強まることになります。

これが今回の乱高下劇の真相です。

(続く)

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by dokkyoan | 2016-02-04 21:09

一時的効果と慢性疾患と

復刊したと言いながら休業状態だったのは、風邪と下痢と痛風に悩まされていたからで、何卒ご高配の程を一言です。


米大統領選挙の緒戦とも言うべきアイオワ州党員集会の結果をみて、こりゃヒラリー候補の目は無いなと判断、併せて今回は共和党が勝利するとの結論に達しました。

それから現職のオバマ大統領が全米有権者から愛想を尽かされていることも判明、直前にヒラリー候補支持を表明したのが仇となりました。

保守派から社会主義者呼ばわりされているオバマ大統領でさえ、自身を社会主義者とは認めていませんが、その社会主義者を自称するサンダース上院議員は、民主党にあっても傍流中の傍流、そんな泡沫候補と互角の戦いを余儀なくされたのですから、ヒラリー候補には茨の道が待ち構えていると言わざるを得ません。

おまけに3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、FRB(連邦準備制度理事会)は間違いなく再利上げに踏み切りますから、その時点で全米金融市場に衝撃が走るのは論を俟たず、同時に政権与党に対する逆風となります。


国際経済が抱える問題は、それだけにあらず、主役は勿論、中国です。

2月7日から14日まで、中国は春節休暇に突入しますが、休み明けが怖ろしいです。

金詰りに陥りつつある中国経済ですが、休暇が終わった時点で国民の懐も寂しくなります。

とすると手持ちの資産を手放すことになり、株式も例外ではありません。

新年に上海株価指数が急落したのも換金売りのせい、それよりも大規模な手仕舞いが発生すると、国際株式市場に対する影響は計り知れません。

換言すれば、日銀によるマイナス金利採用は一時的効果しかありませんが、中国経済の失速(と不良債権の表面化)は慢性疾患、どちらを重視すべきかは言うまでもありません。

(続く)

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by dokkyoan | 2016-02-03 16:25