世を毒する言動、空疎な報道・社説・論説等に遠慮仮借なく鉄槌を下します。


by dokkyoan

承前 ~見逃されがちな当たり前の事柄~

例えば、国会議員や地方議員を問わず、自民党員であれば総裁(≒総理)に求めることは、「勝たせてくれる人物かどうか」です。

今の安倍総理の安泰なのも、国政選挙であれ地方選挙であれ、総じて選挙に強いから、己の人生が掛かっていますから、その点に関しては党員も辛口で敏感です。

有体に言えば、安倍政権を評価していると言うより、「民主党政権の悪夢」を繰り返したくないと言うのが国民の総意です。

そして事情は米国でも同じです。


米国では2年に一度、選挙と言う「お祭り」があります、4で割り切れる数字の年(2016年がまさにその年)の「大統領選挙」と、2でしか割り切れない年(最近では2014年、次は2018年)に実施される「中間選挙」です。

ただ「大統領選挙」と言っても、国家元首(任期4年)を選ぶだけでなく、上院(任期6年、定員各州2名×50州=100名、2年毎に凡そ3分の1改選)、下院(任期2年、定員435名)、そして州知事(15州程度)が選挙の洗礼を受けます。

これに対し、「中間選挙」では大統領こそ行われないものの、上院(3分の1前後)、下院(全員)、州知事(約35州)が改選されます。

ですから選挙の年毎に、立候補する身の上(上院、下院、州知事)としては、特に大統領選挙の際には「他人を勝たせる候補」であることが求められます。

オバマ大統領は「自分の選挙には強いが、他人の選挙に弱い」典型例、2008年こそ自身の当選を含め、上下両院を与党民主党が制することに成功しましたが、2010年の中間選挙で早くも下院を野党共和党に奪回され、2012年は再選を果たすものの、上下両院に大きな変動は無く、2014年では上院で大敗し過半数を失う結果となりました。

州知事も2014年時点で共和党が31州を確保していますが、米国では州知事の権限は強く、例えば国勢調査に基づき連邦下院の選挙区を決めるのは知事です。

そこで予備選挙の意義ですが、上下両院及び州知事立候補者からすれば、票の出方が気にかかるのは当然、そして「自分の選挙も他人の選挙にも弱い」ヒラリー候補を擁する民主党の予備選や党員集会は盛り上がりに欠けます。

これに対し、トランプ氏が旋風を起こしている共和党では投票数が激増、それらを立候補者は凝視しているのです。

しかもトランプ氏への支持は極めて強く、仮に共和党幹部が策を凝らして同氏を排除した場合、支持者が抜け落ちることは確実、その怒りが上下両院及び州知事立候補者に向かうのは想像に難くありません。

トランプ氏の課題は、副大統領候補の選任、民主党の地盤を崩すなら北部に強いケーシック氏ですが、還暦を過ぎていますので魅力がありません。

共和党の支持母体は、所謂「主流派」、キリスト教右派、リバタリアン(自由至上主義者)、茶会派(=小さな政府志向)に大別されますが、いずれも帯に短し襷に長し、対してトランプ氏はサイレント・マジョリティ(声なき大衆)を支持基盤としています。

これからが見物です。

(続く)

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by dokkyoan | 2016-03-22 22:59