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by dokkyoan

為替の力学 ~マイナス金利不発の理由~

マイナス金利を導入した日銀側の思惑は、これによって為替が円安に振れ、それを好感して株高に転じるとの読みだったかも知れませんが、その目論見は外れつつあります。

確かに瞬間的には思惑通りに推移したものの、これ程の短期間で効果が薄れるとは想定していなかったと思われます。

何故か、「余剰円」と「余剰ドル」では桁違いだからです。


原油取引は原則としてドル建て決済ですので、原油価格が下落するとドル需要が減退することになります。

バレル当たり100ドルを優に超えていた価格が30ドル近辺まで急落したら、為替市場で膨大な余剰ドルが発生します。

その規模は、マイナス金利施行に伴う円売り圧力よりも遥かに巨大ですから、結局は円安は一時的、円高が進展し日経平均は急反落する羽目になります。


早晩消滅するでしょうが、中国人による「爆買い」は今だ健在、最近では海外の不動産や企業も買収の対象になっています。

これぞまさにバブルの最末期症状です。

具体的には、

「中国国内に目ぼしい(=収益が期待出来る)物件が見当たらなくなった」

「海外の物件が割安に思える」

外資が中国から流出しつつあり、それが人民元を減価させていますが、それでも人民元は割高水準、しかもこの先、人民元が更に下落すれば、在外資産には為替差益が発生するとの思惑が生じます。

実はそれが「捕らぬ狸の皮算用」で、最後には虎の子の在外資産も叩き売る羽目になります。


そもそも、今回の世界同時株安の発端は、原油価格の急落とその背景にある中国経済の失速にあります。

とすると、中国バブルが弾けて原油価格が一段安となれば、円安ではなく円高傾向が強まることになります。

これが今回の乱高下劇の真相です。

(続く)

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by dokkyoan | 2016-02-04 21:09