世を毒する言動、空疎な報道・社説・論説等に遠慮仮借なく鉄槌を下します。


by dokkyoan

蒋介石の誤算

帝国陸軍は補給線の確保を軽視していたと言われますが、仮にそれが事実なら、それは行軍速度の遅れとなって表れます。

「腹が減っては戦は出来ぬ」、これはまさに箴言で、食糧がないと兵士も前へ進めませんが、略奪や強制徴収したいたら進軍の速度が落ちるのは明らかです。

そもそも日本が明治維新を経て近代化に邁進したのは、「近代化に乗り遅れたら亡国する」との切迫感があったからですが、日清戦争、日露戦争、そして第一次世界大戦を経て日本が到達したのは「貧困地獄」でした。

娘は売られて息子は兵隊にとられ、食うに食えなくなった貧困層が各地で続出しました。

つまり日本の「侵略」は自らの生存のための闘争であり、和平路線を持論とする「主権者」昭和天皇を臣民が押し切ったのも、詰まるところ「食うために戦わせてくれ」と言う大日本帝国臣民の総意でした。

従って戦略はある筈が無く「抵抗や妨害が止むまで」、戦争目的も「安心して食える状況を保証すること」、そもそも食べる物が無いから補給戦略は作戦に追随することになります。

ですから蒋介石が遭遇した日本軍とは、「食べることに事欠くことが無くなるまで、たとえ中国全土を併呑してでもその目的を達成する」点で「戦う前から総力戦を総意とする」、この上なき士気旺盛な、軍事思想、要へ医術、装備その他の面で世界最上級の、第一次世界大戦に至るまで実戦経験を積んだ軍事組織だったのです。


蒋介石の考え方は「(量)有限×(質)有限」です。

これに対し大日本帝国陸軍が到達した境地は「(量)有限=寡兵×(質)無限」です。

だから北伐完了後、約束を反故にして満州地域の回収を試みましたが、当時の日本に対して違約することはひよこが虎に喧嘩を売る様なもので、満州国建国と言うしっぺ返しが待っていました。

それでも敗因が分らない、日本は聴く耳持たない、せめて国際連盟のリットン調査団報告書=英国の本音に耳を傾けていたら、「新日英同盟」を結んでいたら良かったのですが、腹をすかせた人間に理性を求める方がおかしいです。

(続く)
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by dokkyoan | 2011-12-17 01:05