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by dokkyoan

少し周恩来に寄り道

周恩来に就いては、黄埔軍官学校に在籍した事実が過大評価されている感があります。

政治部副主任(主任級は国民党が独占)として同校に籍を置いていたのは事実ですが、それまでに軍歴はなく、軍務に精通していないけれど政治部と言う難しい部署をこなせる人材と言えば、周恩来以外に数少なかったと言えます。

因みに共産党系の教務部副主任は葉剣英、それからこれは国民党側ですが政治部主任はあの戴季陶、毛沢東は面接の試験官で、この時代の毛沢東は「その他大勢」の一人です。

ですから当たり前ですが、周恩来の活躍の場は外交を含め「民政」に限られます。

従って「国務院総理」を長年務めたのも、ある意味首肯出来る訳で、裏を返せば生涯、統帥権には口出ししなかったことになります。


中ソ論争たけなわの頃、周恩来がフルシチョフと会談した際、フルシチョフは周恩来のことを「ブルジョア出身」となじったのに対し、周恩来はプロレタリア出身のフルシチョフに対してその事実を認めつつ、唯一の共通点として「出身階級を裏切ったこと」を挙げて反論しました。

スターリン時代に比べてソ連の共産主義が退歩していると断ぜざるを得ないのは、定義に従って機械的に考えている点で、グルジア人と北オセチア人の「混血児」であるスターリンからすれば、「共産主義者=ソ連人」の見本が本人で、全てのソ連国民は「スターリン化」すべきで、民族は勿論、階級すら頭から認めていません。

周恩来の生家は胥吏階層の「名家中の名家」ですが、この中国では同一宗族の中に「ブルジョア」もいれば「プロレタリア」も存在しますので、そのまま共産主義革命を当てはめれば「同族抹殺」を引き起こしますのでそれは受け入れられない、対するに帝政ロシアは名前を聞いただけでユダヤ・ゲットーに住んでいるか、解放農奴出身か、はたまた貴族なのか即断できますし、中国が同一宗族内で「ピンからキリまで」存在するのに対し、帝政ロシアは一握りの「ピンからピンまで」とその他大勢の「キリからキリまで」で構成されていました。

国務院は中国共産党の指導を受けますから、その関係は上官(宗族階級)と胥吏の関係に似ています。

小誌が国務院は胥吏の「縄張り」と考えるのも、清朝末期から軍閥の時代を経て維持された数少ない統治機構がこの「胥吏による被支配層の統治」だったと考えられるからです。


前回、共産党中国の最高権力者を「本命」か否かで分類出来ると弊意申し上げましたが、これを当てはめると次の様になります。


毛沢東:
本人は「建国の父」と勘違い、「聖人」と勘違いしている面も。
中国共産党でも軍閥出身を除いて唯一共産主義を「誤読」。
支持基盤は獣の様な私兵と裏社会の構成員と初心な農民層。



劉少奇:
毛沢東には「名誉」を与えて実務と実権を牛耳るつもりであった共産党上層部の代表的存在。
都市を地盤とする傾向がある。
そして「お飾り」毛沢東をその支持基盤と共に政治の舞台から退場させた後を襲うべき「本命」であった



毛沢東:
駆逐されてはたまらない支持基盤が文化大革命を起して奪権闘争に成功、毛沢東本人も己が「招かざる共産主義者」であることを理解、それを逆手にとって己を神聖化、本命を超える「皇帝」崇拝の真似事を始める。

(続く)
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by dokkyoan | 2011-07-13 01:52