世を毒する言動、空疎な報道・社説・論説等に遠慮仮借なく鉄槌を下します。


by dokkyoan

故郷恋しや

以前に「大中華主義」と「小中華主義」なる政治用語を造語(?)し、蒋介石は小中華主義者ではないかと推論しましたが、この思想は確かに時宜に適っていた側面もありますが、欠点も少なからず持ち合わせていました。

小中華主義は「まず国内の必要最低部分を掌握し、好機至れば列強の支配下地域も奪還する」戦略思想と規定出来ますが、「好機が至らない時には如何に責任を取るか」と言う問題を常に孕んでいますし、そもそも「相手が理性的」と言う前提が不可欠となります。

スターリンは理性的ですから、蒋介石政権と条約を結んでそれを(少なくとも当初は)遵守しました。

対して大日本帝国はどうか、「臣民にあまねく最低限の生活を保障」するために足掻いていたのであって、理性的に考える前に腹が減って倒れるのが落ちです。

つまり旧満州地区を支配した日本軍は、それで「衣食足りて礼節を知る」筈がなく、目の前に「中国の中枢地帯」があるのですから、これにかぶりつかなければ嘘です。

そもそも石原莞爾の神業的采配で「寡兵好く多を制す」、まさに理想的勝利を収めた日本軍に対し、中国人は如何なる印象を持ったか、「こんなケダモノに逆らうのは賢くない」でしょう。

そのケダモノが造った満州帝国では、平和なうえに日本の財閥資本が次々と投下され、日本人よりもむしろ現地漢民族、蒙古民族、満州族の「最低限の生活保障」が実現する有り様でした。

国共内戦で旧満州地区の争奪が焦点のひとつになっていたのは、それだけ日本が資本投下したからで、皮肉なことに当時の満州は中国最先端の工業地帯だったことになります。

この空腹と誠実さが混ざり合った奇妙な国と、蒋介石が折り合うには「日本が求める食糧や物資を提供する」、これしかありません。

それをしなかったのは蒋介石の失態以外の何物でもなく、更なる窮地に追い込まれます。

(続く)
[PR]
by dokkyoan | 2011-06-11 00:05