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世を毒する言動、空疎な報道・社説・論説等に遠慮仮借なく鉄槌を下します。


by dokkyoan

笹本駿二再考

最近の版元は良書と悪書の区別を、売行きと言う、内容とは全く関係のない基準で判断しているらしく、再販制度に安住してきた競争原理の働かない業界の末路の哀れさは、ここに来て極まった感があります。

現状を打破する能力も気概も無いのはご随意にと言う他ありませんが、良書を絶版にされると困ることが多く、しかもその数が加速度的に増えているのは遺憾としか言い様がありません。

以前に取り上げました笹本駿二氏の著書も絶版に次ぐ絶版で、アマゾンで検索しましたが岩波新書も訳著も共著も全て全滅。

結果はこの通り。

http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%8D%F9%96%7B%8Fx%93%F1&x=19&y=16#/ref=sr_pg_1?rh=i%3Aaps%2Ck%3A%E7%AC%B9%E6%9C%AC%E9%A7%BF%E4%BA%8C&keywords=%E7%AC%B9%E6%9C%AC%E9%A7%BF%E4%BA%8C&ie=UTF8&qid=1295402097
(アマゾンで「笹本駿二」を検索した結果)

同氏については、裏付けも無く「左翼系ジャーナリスト」と記したことが妙に後味が悪く、その旨を記さないまま自己都合で3年間も休刊と言う形で放置していましたので、その名著「第二次大戦前夜」と共に脳裡から離れないでいました。

勿論、当時でも今でも異論がある部分はございますが、また政治思想的立場も著者と小誌では異なると思われますが、それでも真摯な思いで書かれた著書には必ず獲るものがあります。

ただ、これは笹本氏ご本人に限らず、チャーチルの「鉄のカーテン宣言」に関する通俗的見解に対して小誌は承服しかねる部分がありまして、その点については僚誌「現代中国に関する考察」(左側エキサイトブログ欄参照)をお読み頂ければ幸甚です。

(了、以上文責小誌)
by dokkyoan | 2011-01-19 11:16