世を毒する言動、空疎な報道・社説・論説等に遠慮仮借なく鉄槌を下します。


by dokkyoan
トランプ候補の選挙戦術をみていると、織田信長を想起してしまうのは小誌だけでしょうか。

無い無い尽くしだったからこそ、農家の次男坊以下の「食い詰め者」や、足軽以下の身分の低い者に武器を与えて戦力にしたのが信長です。

一般に米国の共和党の支持基盤は、主流派(ジェフ・ブッシュ)、キリスト教右派(クルーズ)、リバタリアン(自由至上主義者、ロン・ポール)、それにティー・パーティ(小さな政府派、ルビオ)に大別されますが、いずれも大勢を占めるに至らず、加えてそれぞれ相容れない部分があります。

要は、支持基盤と言う既得権益に乗っかっているので、いずれの候補者も全体を纏めることが出来ないのです。


トランプ氏の支持基盤は違います。

プア・ホワイト(白人系低所得者層)とプア・ヒスパニック(中南米系貧困層)の票の掘り起こしに成功したのです。

労働者も気付いています、労働組合が働く者の擁護者ではなく、一部の「労働貴族」と「公務員貴族」と言う、「楽して生涯の収入が保障されている連中」の打ち出の小槌になっていることを。

ヒスパニックも分かっています、己が次の安価な労働力に取って代わられるまでのパート・タイマーであることを。

何で格差が拡大するのか、何で失業せねばならないのか、どうして不法就労が理由で首切りに怯えなければならないのか、民主党も含め誰も回答を与えてくれません。

金持ち(主流派)も神様(キリスト教右派)も自由の女神(リバタリアン)も減税(茶会派)も、この肝心な部分には知らんぷり、ところがトランプ氏は違います。

プア・ホワイトとプア・ヒスパニックの切実な願いに明快な答えを提示したのです。

自分が金持ちだから、政治献金は受け付けない、だから富裕層の傀儡にならないと断言し、不法移民のこれ以上の流入を完封することで、ヒスパニックに安堵感を与えています。


ただ、かねてより言及しています通り、副大統領候補を誰にするかが、この爺さんにとっての最大の問題、ですが共和党の首脳陣と密談することは自殺行為です。

党内の派閥と折り合いをつけても、同候補に対する期待感が凋むだけ、ここはやはり奇手を繰り出して、妥協も譲歩もしない姿勢をみせねばなりません。

ではそんな願いを叶えてくれる人物がいるのか、います。


他ならぬトランプ氏の娘、イヴァンカさんです。

まず超の付く才色兼備、子供ですから、すり合わせも妥協も不要、結婚を機にユダヤ教に改宗していますが、ここを何とかすれば勝てます。

灯台下暗しとはこんなことを言うのでしょうか。

(続く)



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# by dokkyoan | 2016-03-23 23:19
例えば、国会議員や地方議員を問わず、自民党員であれば総裁(≒総理)に求めることは、「勝たせてくれる人物かどうか」です。

今の安倍総理の安泰なのも、国政選挙であれ地方選挙であれ、総じて選挙に強いから、己の人生が掛かっていますから、その点に関しては党員も辛口で敏感です。

有体に言えば、安倍政権を評価していると言うより、「民主党政権の悪夢」を繰り返したくないと言うのが国民の総意です。

そして事情は米国でも同じです。


米国では2年に一度、選挙と言う「お祭り」があります、4で割り切れる数字の年(2016年がまさにその年)の「大統領選挙」と、2でしか割り切れない年(最近では2014年、次は2018年)に実施される「中間選挙」です。

ただ「大統領選挙」と言っても、国家元首(任期4年)を選ぶだけでなく、上院(任期6年、定員各州2名×50州=100名、2年毎に凡そ3分の1改選)、下院(任期2年、定員435名)、そして州知事(15州程度)が選挙の洗礼を受けます。

これに対し、「中間選挙」では大統領こそ行われないものの、上院(3分の1前後)、下院(全員)、州知事(約35州)が改選されます。

ですから選挙の年毎に、立候補する身の上(上院、下院、州知事)としては、特に大統領選挙の際には「他人を勝たせる候補」であることが求められます。

オバマ大統領は「自分の選挙には強いが、他人の選挙に弱い」典型例、2008年こそ自身の当選を含め、上下両院を与党民主党が制することに成功しましたが、2010年の中間選挙で早くも下院を野党共和党に奪回され、2012年は再選を果たすものの、上下両院に大きな変動は無く、2014年では上院で大敗し過半数を失う結果となりました。

州知事も2014年時点で共和党が31州を確保していますが、米国では州知事の権限は強く、例えば国勢調査に基づき連邦下院の選挙区を決めるのは知事です。

そこで予備選挙の意義ですが、上下両院及び州知事立候補者からすれば、票の出方が気にかかるのは当然、そして「自分の選挙も他人の選挙にも弱い」ヒラリー候補を擁する民主党の予備選や党員集会は盛り上がりに欠けます。

これに対し、トランプ氏が旋風を起こしている共和党では投票数が激増、それらを立候補者は凝視しているのです。

しかもトランプ氏への支持は極めて強く、仮に共和党幹部が策を凝らして同氏を排除した場合、支持者が抜け落ちることは確実、その怒りが上下両院及び州知事立候補者に向かうのは想像に難くありません。

トランプ氏の課題は、副大統領候補の選任、民主党の地盤を崩すなら北部に強いケーシック氏ですが、還暦を過ぎていますので魅力がありません。

共和党の支持母体は、所謂「主流派」、キリスト教右派、リバタリアン(自由至上主義者)、茶会派(=小さな政府志向)に大別されますが、いずれも帯に短し襷に長し、対してトランプ氏はサイレント・マジョリティ(声なき大衆)を支持基盤としています。

これからが見物です。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-22 22:59
あくまでの公式発表(=大本営発表)ですが、中国のGDP(国内総生産、ドル建て)は日本の2倍の規模に達しました。

ただ、人口は日本の十倍ですから、一人当たりのGDPは二割に留まります。

にもかかわらず、中国人は来日して「爆買い」をします。

例えば、ミャンマーの来日観光客は、鎌倉の大仏でお土産を買うそうですが、そこには「渡した友人が同じ様に日本に来れます様に」と言う願いが込められているとのことで、誠に微笑ましいと共に、ミャンマーの生活水準からも妥当な贈り物です。

では何故、中国人だけ「爆買い」をするのか(出来るのか)。

まず、「富の再分配」が作用せず、特定の人間集団に富が集中している現実が挙げられます。

次に、「日本に行かなければ日本製品が入手出来ない」中国の実状があります。

中国産鰻を輸入するのに、一般の日本人は中国まで足を運びません。

商社が全て代行してくれます。

ですが、中国では他人任せにすると「横抜き」されて終わりで、紛い物をつかまされるのが落ちです。

それともう一つ、親族友人から金を借りてまで来日して大量購入する訳として、転売して一儲けと言う魂胆があります。

そのため、爆買いは無くなりません、需要が無くなることはありません、「軍資金」が途絶えない限り。

換言すると、資金繰りの収拾がつかなくなれば、爆買いは消滅します。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-22 00:34

承前

遂にブラジルは、議会が大統領の弾劾を協議するところにまで至りました。

前大統領を救うべく、その人物を閣僚に任命し、不逮捕特権を与えると言う姑息な手段を用いては、国民の怒りも収まる筈がありません。


欧州は難民移民問題で自ら泥沼にはまった模様、小国マケドニアがギリシャ国境を封鎖し、難民がそれを突破すると言う事態が出現しています。

先日の地方選挙で極右政党の台頭を許したメルケル独首相とすれば、来年の総選挙までに何とかして国民を宥める必要がありますが、それまでにテロでも起これば目論見も画餅に帰してしまいます。

一方、プーチン露大統領がシリアからの撤兵を命令、やけに物分りが良いなと思うのは大間違いで、直前に米露首脳は電話で意見交換しています。

それを受けての発表ですから、オバマ大統領から相応の譲歩を引き出している筈で、では何を認めさせたかと言えば、「対露経済制裁の(実質的)形骸化」、「主要国サミットへのロシアの復帰」、「オバマ政権の責任においての原油価格持ち上げ」のいずれか乃至その全て、オバマ氏が横槍を入れた「安倍総理訪露」も甘受させていると思われます。

オバマ大統領は、プーチン氏の様な外交巧者にとっては子供の様なもの、「シリア空爆の一時的中断」なんて何時でも破約出来ますし、経済制裁は解除したら最後、簡単に再開出来る代物ではありません。

サミットへの復帰も同様、原油価格などオバマ政権が維持出来る代物ではなく、次回OPEC総会(おそらく6月)前後には再び値下がりする可能性が否定出来ません。

それにしても、オバマ氏の稚拙外交はその他の主要国にとって干天の慈雨にも似たものがありますが、米国内における大統領の存在は「疫病神」そのものです。

「米国史上最悪の大統領」の烙印を押されている(世論調査の結果、堂々の首位)うえに、内政外交で失策続きですから、全米有権者は愛想を尽かしています。

それでもヒラリー候補支持を明言したり、野党共和党に嫌味を言っていますが全部逆効果、女史からすれば大統領発言は有難迷惑以外の何物でもなく、共和党は好感度が上がるので大歓迎です。


第二次世界大戦の終結以降、英国は数少ない例外を除いて「やられっぱなし」でした。

イランではモザデグ革命(1951年~1952年)の過程で石油権益を米国に奪取され、スエズ動乱(1956年~1957年)では軍事的には優勢を保ちながら、ソ連の恫喝を受けてエジプトから撤退、この時、米国(アイゼンハワー大統領)は英仏を見殺しにしています。

インドも1948年に独立(東西パキスタンが分離)、スエズ運河の国有化と相俟って、英国は少なくとも表向き、スエズ以西に退くことを余儀なくされます。

ですが、殴られて黙っていないのがかつての大英帝国、反撃が始まりますが、その起点はシンガポールと香港、それに上海です。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-18 23:17

話を戻して

冒頭からあと少し道草しますが、南米の大国ブラジルがとんでもないことになっています。

百万人単位で抗議デモが発生し、国会では大統領弾劾の手続きが始まり(与党多数にもかかわらず)、院政を敷く前大統領に司直の手が及びつつあります。

格付機関ムーディーズも匙を投げて(と言うか率先して)ブラジルを格下げ、それ以前に同国国債は投資適格ではありませんが止めを刺しています。

ジカ熱なる伝染病も現地で流行していますし、8月5日からのリオ五輪はテレビ観戦が正解と思われます。


久々に話を第二次世界大戦終結直後に戻しますが、この時点で世界を動かし得るのは米ソ英の三国だけでした。

ただ、事情は各国によって異なり、米国が「元気満々」ならば、ソ連は「軍事力突出」、英国に至っては「疲労困憊」でした。

しかも国際情勢は米ソに圧倒的有利でした。

加えて、これは米国の悪い癖ですが、「戦争が終わったら、状況を鑑みずに至急撤退する」、これも情勢を一変させるに十分な要因です。

地域別に考察しますと次の様になります。


日本:米国が実質的に全面占領

朝鮮半島:不凍港を求めるソ連と、日本を起点に中国本土実効支配の中継地点を確保したい米国の思惑が一致し分割統治

中国:「絶対権力者」大日本帝国軍が消滅し、権力の空白が発生。蒋介石「親米」国民党政権が最有力勢力に躍り出る。この時点で中国共産党は泡沫。欧州に注力したいソ連は蒋介石と手打ち。

エルベ川以東(東欧):ソ連の実質占領下に。

エルベ川以西(西欧):米国がさっさと撤兵したために軍事面で空白地帯に。ド・ゴールのみが徒手空拳でソ連に「口先対抗」。

イラン(中東):イギリスとソ連の勢力が拮抗。

インド(今のバングラデシュ、パキスタンを含む):大英帝国の植民地なるも、単独で維持する余力無し。


このままでは大英帝国が総崩れになります。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-15 21:59
米国大統領選挙の帰趨を占ってみます。

まず、共和党はトランプ、ただ問題は「勝ち方」、主要州を自力で獲得出来るか、特にフロリダ州は絶対に奪還しなければならないので、同州を勝ち獲れば副大統領の裁量も広がります。

つまりフロリダでトランプ候補が勝利すれば、同州選出の上院議員ルビオ候補に頼る必要は無くなり、共和党の弱点である東部と五大湖周辺に強い人物を副大統領に指名して、攻勢を掛けることが可能になります。

対して民主党ヒラリー候補の場合は難題を抱えています。

黒人層以外からの支持が弱く、当初泡沫だったサンダース候補に苦戦続きなのも、同候補に強い嫌悪感を持つ有権者が、多数存在することを物語っています。

と言って、サンダース候補に副大統領を打診しても断られるでしょうし、むしろ民主党で指名を獲得出来なければ、無所属で選挙戦を継続する可能性も否定出来ません。

加えて、民主党は上下両院、それに州知事が総崩れ状態で、「知名度と好感度が高い若手」が育っていません。

ですから有望な副大統領候補が存在しません。

但し、奇策として「自分の亭主を副大統領候補にする」手は残っています。

裏を返せば、それ程までに選択肢が狭いのです。

結構、ランドスライド(将棋倒し)でトランプ氏が圧勝するかも知れません。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-10 00:14
朝日新聞政治部次長を称する高橋純子なる人物が、同紙に「だまってトイレをつまらせろ」なる私見を寄稿してます。


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報道機関によって理念や見解が異なるのはやむを得ないとして、支離滅裂な駄文を掲載するのには感心出来ません。

一言で表現すれば、この文章は「造反有理の勧め」以外の何物でもありません。

「だまってトイレをつまらせ」ることが「造反有理」であるならば、朝日新聞の配達人が、新聞社の正社員と営業所の就労者の「所得及び待遇格差」に憤慨して、営業所(勿論、新聞社そのものでも良い)のトイレを「だまってつまらせ」たら、解雇されるか逮捕されるかです。

朝日新聞には自身が搾取の頂点にいると言う認識が何故ないのか、それから法律に疎いもので判定出来ませんが、故意にトイレを「だまってつまらせ」たら、器物損壊か威力業務妨害等で警察のお世話になると思われます。

日本は法治国家で、報道機関もその点は全面肯定するべきかと思料しますが、思い通りにならないと「造反有理」を声高に叫んで法治主義を拒否するのは、どの過ぎた我儘です。

筆者は政治学者を名乗る栗原康なる御仁の著書から、この一文を引用しているみたいですが、その書名が「はたらかないで、たらふく食べたい」(それにしても平仮名と片仮名が矢鱈と多い)、それはそうでしょう、朝日新聞の正社員には無条件で提供される特権ですから。

そもそも日本国憲法27条には、勤労の義務が明記され、朝日新聞の立場は護憲で、しかも「解釈改憲」も認めないのですから、この政治学者と己を厳しく糾弾しなければ辻褄が合いません。

そんな感覚すらないのであれば、小誌の貧相な経験則を開示させて頂きますが、肩書だけは一人前でも、才覚も知識も中身も器量もない女性は、往々にして文章の冒頭で大袈裟な表現を用いて、読む側を煙に巻く傾向があります。(自分を大きく見せようと言う努力でしょうか)

「このところ、なにかにつけてこの言葉(=「だまってトイレをつまらせろ」)が脳内にこだまし、困っている。

信じるか、単なるはったりと受け取るかはお任せします。


元横浜市長の中田宏氏へ。

http://nakada.net/blog/4228
(【北海道新幹線】秒読みだけどケチつけます。あ、20年前からですが)

貴兄ほど酷薄な人はいません。

国会議員としても政治家としても日本国民としても人間としても失格です。

先日のニュースで、新幹線の始発切符を握り締めて泣いている北海道民を観ました。

小誌は北海道と懸け離れた場所に住んでいますが、それでも道民が抱えてきた「孤独感」と「疎外感」を感じることは出来ました。

北海道新幹線は採算で論じるべきではありません。

道民が欲していたのは「安心」と「一体感」と「絆」です。

いずれも採算を度外視したところにあります。

過日、日台親善野球試合がありましたが、日本と台湾には国交が存在しません。

ですが両国には他に例を見ない「国民外交」が存在し、互助の意識を共有していることは、この試合でも明らかでした。

特に台湾にとって、この「国民外交」の絆は何物にも代えがたい「国際社会への絆」です。

北海道も同様、難点をあげつらうよりも、その根本的価値を認めたうえで、不利な点を少しでも改善するのが政治家と言うものではないですか。

日本国民を愛せないのであれば、日本の政治家になるのは無理です。

「どこかの国が攻めてきたら、新幹線で本州に避難出来る」

「どこかの国がせめてきても、本州から自衛隊を増派してくれる」

この安心感を金額に換算してから持論を再考して下さい。

それより、市町村議会選挙でも構いませんから、北海道で選挙に立候補するのが、自説の正しさを立証する絶好の機会と思われますが如何でしょうか。


本日の結論


「口開けて はらわた見せる 柘榴かな」

(確か、イザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」)


(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-07 21:28

要注意人物

別の所でも触れましたが、原田親仁氏(政府委員 日露関係担当大使)の動きには要注意、連休中に安倍総理はロシアを含め訪欧しますが、それ以前に日露間で何らかの動きがあるやも知れません。

この人物は「日本版アスタコフ」ではないかと推測しています。

(アスタコフに就きましては、岩波新書笹本駿二著「第二次世界大戦前夜」をお読み頂くか、検索願います)

冒頭から横道にそれて恐縮ながら、ダンツィヒ回廊の問題で、あれだけポーランドがナチス・ドイツに抵抗したのは、ソ連がこの隣国に安全保障の面で秘かに言質を与えていたからではないでしょうか。

外交巧者のスターリンとモロトフならば、その程度のことは朝飯前だったのではないでしょうか。

ドイツがポーランドに攻め込んだら、ソ連が軍事援助を与えると相手に信じ込ませたのではないか、その証拠にソ連が国境に軍隊を展開しても、ポーランドは全くと言って良いほど警戒していません。

確かにドイツによるポーランド侵攻と時を同じくしてソ連軍もポーランドに入りましたが、それはヒトラーとスターリンで同国を分割するため、ソビエトとすれば来るべき独ソ戦争に備えて緩衝地帯を少しでも設けたかったのではないかと思われます。

ダンツィヒ回廊の件でポーランドが屈すれば、この国は事実上、ドイツの属国になり、ナチス・ドイツはポーランドをも従えて対ソ戦争により東側から始めることが出来ていた筈ですから。


これは折に触れて各方面で申し上げているのですが、現下の国際情勢を動かしているのは、英国王室と、それに敵対する勢力との権力闘争ではないか、この考えに益々傾きつつあります。

冷戦時代は米ソ両大国が世界を舞台に対峙し、ソビエト崩壊後は米国が唯一の超大国として君臨していると言うのが現代史の通説、今更老大国の王室を過大評価するのは如何と言うご指摘は重々承知の上で推論しているのですが、まず「米英の特別な関係」と言うのは存在しないのではないかと思われます。

米国が共産主義や社会主義に極めて非寛容(ソ連を承認したのは1933年で当時の主要国の中で最後、因みに日本は1925年、大英帝国が1924年、日英同盟解消は1923年)なのに対し、英国はこれらの政治思想に極めて鷹揚です。

中華人民共和国(中共)は毛沢東が天安門広場で建国を宣言したその日に承認していますし、米国が音頭を取ったモスクワ五輪辞退に応じず、西側主要国では唯一参加しています。

米国もフォークランド紛争で事態を傍観し、英国は孤軍奮闘を強いられました。

そもそも、大英帝国にとって米国は「反逆者」であり「共和国=王政否定」主義者です。

ですから両国は「家庭内離婚」のような状態ではないかと推察されます。


ですが腐っても鯛、第二次世界大戦で疲弊した英国には、米国にはない強みがありました。

まず「英国連邦(コモンウェルス)」の存在、英国を筆頭に53か国、唯一の世界規模の同盟です。

それから、これは英国の利点と言うより米国の弱みなのですが、食い詰め者とお尋ね者(宗教的異端もこれに含まれます)の寄り合い所帯、民族的にも多岐に亘りますし、しかも「母国(欧州諸国)」への郷愁が強い人間集団です。(ですから今のオバマ大統領の様に、米国の国益を損ねても己の名誉と名声を優先する人物が後を絶ちません)

加えて、出る杭は打たれるの諺通り、頭越しに命令する輩(=超大国)は誰にとっても頭にくる存在、刃向かう勢力に事欠きません。

と言っても、終戦直後の大英帝国を取り巻く環境が最悪であったことは否めません。

旭日の勢いの米国に対し、疲労困憊で身動きの取れない英国、米国の覇権を阻止するには並外れた戦略が必要となります。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-03-05 17:36

臍を噛む大英帝国

EU首脳会議で他の加盟国に言い分を全て呑ませ、返す刀でEU離脱の可否を問う国民投票(6月23日)を決断した英国首相ですが、早くも目算が狂った模様です。

来年末(2017年末)までに実施すれば良い国民投票を、日程を大幅に繰り上げて実施するのは、今なら勝てる(首相はEU残留支持)との計算が働いたからと思われますが、早くも目論見が齟齬をきたしつつあります。

EU内部で英国に「特権的地位」を与えることで合意に達したのも、将来に禍根を残すことになるでしょうが、それを措いても、国民投票で離脱派が勝利すれば、英国の現保守政権は窮地に追い込まれるでしょうし、その場合はEUが英国により「特権的地位」を与えるか、英国がEUを脱退するしかありません。

国民投票まで5か月ほどの時間的余裕がありますが、英国又は他の加盟国で、イスラム過激派によるテロが発生するか、移民や難民による暴動が発生すれば、世論は一気に硬化します。

その様な事態が発生しないと、多寡を括っているのでしょうか、英国首相は。


図体だけは大きいEUですが、所詮は寄り合い所帯、ロシアが本気になって攻勢に出れば、ひとたまりもありません。

勢い、対露外交は宥和的にならざるを得ず、2月16日に「欧州最後の非民主的独裁国家」にして親露国のベラルーシに対する制裁の殆どを解除する方針を明らかにしました。

理由として、ベラルーシの人権を取り巻く環境が好転しているとか、ウクライナ問題の尽力を評価してと言った御託を並べていますが、この東欧の国の人権問題も隣国ウクライナの政情も、何もEUの望む方向に進んでいません。

要はプーチン露大統領に対して胡麻をすった訳で、独露首脳電話会談で捨てられたのが件のウクライナ、この協議で独仏露にウクライナを加えた四か国外相会談の開催が決まりましたが、ウクライナが加わったのは同国の面子を保つためだけです。

これらの一連の動きを見る限り、EUはベラルーシとウクライナにおけるロシアの優越的地位を認めたことになります。

内憂外患でロシアと事を構えている場合ではないと言うのが本音でしょう。

ですから、ウクライナの現政権は19日に一部連立与党が離脱して過半数割れ、国家としては麻痺状態で、ロシアの影響力が浸透することは避けられません。

事態は、英国王室の思惑と逆の方に転がりつつあります。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-02-22 09:42

様々な「終焉」

まず、中国人の爆買いですが、今回で峠を越すでしょうね。

ここに来て国際金融界が荒れているのも、その元凶は他ならぬ中国、その主役が春節休暇と称して一週間休場していたのですから、週明けの混乱は必至かと思われます。

これは相互作用なのですが、中国経済の失速が原油価格急落を生み、それがドル安に繋がっているのは言うまでもありません。

その原油ですが、何処まで値下がりするか、まず考えられるのは「イラン次第」と言うこと。

米国(=オバマ大統領)から核武装のお墨付きを実質的に勝ち得たイランを、隣国サウジアラビアは決して許しません。

イランは原油への依存比率が高いのに、他の中東産油国は原油を精製して得た石油製品、更には石油化学製品の生産能力も有していますので、原油価格の下落の衝撃はイランの方が圧倒的に大きいのです。

サウジアラビアとしては、イランが増産に踏み切ったこの時期を利用して、原油価格を引き下げる考えですが、それでは何処まで下げるかと言うと、最低でも限界利益割れ、運転資金も底を突く水準まで押し下げることが予想されます。

とすると、バレル当たり10ドル割れも想定すべきではないか、ここまでくると世界経済も混迷の渦に巻き込まれます。

ドイツ銀行に端を発した信用不安は欧州全体を覆うでしょうし、ベネズエラを初めとする反米産油国も存亡の危機に瀕することになります。

勿論、中国のバブル破裂はこれからが本番、早晩、中央銀行(中国人民銀行)の外貨準備は払底すると考えられます。

留意すべきは中国の場合、表向きの外貨準備の金額と実態とでは大きな乖離が存在すること、要は支配階級が寄ってたかって横領しているのです。

ですから「実際の外貨準備高」を推計しないことには、判断を誤ることになります。

2016年は楽しみな1年になりそうです。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-02-13 23:56
マイナス金利を導入した日銀側の思惑は、これによって為替が円安に振れ、それを好感して株高に転じるとの読みだったかも知れませんが、その目論見は外れつつあります。

確かに瞬間的には思惑通りに推移したものの、これ程の短期間で効果が薄れるとは想定していなかったと思われます。

何故か、「余剰円」と「余剰ドル」では桁違いだからです。


原油取引は原則としてドル建て決済ですので、原油価格が下落するとドル需要が減退することになります。

バレル当たり100ドルを優に超えていた価格が30ドル近辺まで急落したら、為替市場で膨大な余剰ドルが発生します。

その規模は、マイナス金利施行に伴う円売り圧力よりも遥かに巨大ですから、結局は円安は一時的、円高が進展し日経平均は急反落する羽目になります。


早晩消滅するでしょうが、中国人による「爆買い」は今だ健在、最近では海外の不動産や企業も買収の対象になっています。

これぞまさにバブルの最末期症状です。

具体的には、

「中国国内に目ぼしい(=収益が期待出来る)物件が見当たらなくなった」

「海外の物件が割安に思える」

外資が中国から流出しつつあり、それが人民元を減価させていますが、それでも人民元は割高水準、しかもこの先、人民元が更に下落すれば、在外資産には為替差益が発生するとの思惑が生じます。

実はそれが「捕らぬ狸の皮算用」で、最後には虎の子の在外資産も叩き売る羽目になります。


そもそも、今回の世界同時株安の発端は、原油価格の急落とその背景にある中国経済の失速にあります。

とすると、中国バブルが弾けて原油価格が一段安となれば、円安ではなく円高傾向が強まることになります。

これが今回の乱高下劇の真相です。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-02-04 21:09

一時的効果と慢性疾患と

復刊したと言いながら休業状態だったのは、風邪と下痢と痛風に悩まされていたからで、何卒ご高配の程を一言です。


米大統領選挙の緒戦とも言うべきアイオワ州党員集会の結果をみて、こりゃヒラリー候補の目は無いなと判断、併せて今回は共和党が勝利するとの結論に達しました。

それから現職のオバマ大統領が全米有権者から愛想を尽かされていることも判明、直前にヒラリー候補支持を表明したのが仇となりました。

保守派から社会主義者呼ばわりされているオバマ大統領でさえ、自身を社会主義者とは認めていませんが、その社会主義者を自称するサンダース上院議員は、民主党にあっても傍流中の傍流、そんな泡沫候補と互角の戦いを余儀なくされたのですから、ヒラリー候補には茨の道が待ち構えていると言わざるを得ません。

おまけに3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、FRB(連邦準備制度理事会)は間違いなく再利上げに踏み切りますから、その時点で全米金融市場に衝撃が走るのは論を俟たず、同時に政権与党に対する逆風となります。


国際経済が抱える問題は、それだけにあらず、主役は勿論、中国です。

2月7日から14日まで、中国は春節休暇に突入しますが、休み明けが怖ろしいです。

金詰りに陥りつつある中国経済ですが、休暇が終わった時点で国民の懐も寂しくなります。

とすると手持ちの資産を手放すことになり、株式も例外ではありません。

新年に上海株価指数が急落したのも換金売りのせい、それよりも大規模な手仕舞いが発生すると、国際株式市場に対する影響は計り知れません。

換言すれば、日銀によるマイナス金利採用は一時的効果しかありませんが、中国経済の失速(と不良債権の表面化)は慢性疾患、どちらを重視すべきかは言うまでもありません。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-02-03 16:25

時代は新たな段階へ

新年早々、サウジアラビアとイランが激突、のっびきならない状況に至りつつあります。

今回はサウジが確信犯的に煽っていますが、国交断絶まで実施するのは相応の覚悟がなければ出来ません。

サウジアラビア王室は「聖地メッカの守護者」でもあり、「スンニ派を含むイスラムの盟主」を自負していますので、今回の断交は単に国家間の関係変更に留まらず、「シーア派教徒の破門」も視野に入れた決断でもあります。

それでもと言うべきか、それ故にと言うべきか、原油価格は上昇しません。

値下げ競争になれば、先に音を上げるのはイランですから、原油価格を押し上げる道理がありません。

歩調を合わせる様に、米国は原油の輸出を解禁し、OPECも増産を決議するに至らず、もう一つの石油大国ロシアがOPECと協議する意志はないと明言している以上、原油価格は当面、底なし沼です。

そして留意すべきは、原油価格の下落は、決済通貨としてのドル需要の減退をもたらしますので、ドルは対主要通貨で値下がりすることになります。

本来なら年末の利上げでドル高になっても不思議ではありませんが、ドル需要が減ったことで余剰ドルが発生しています。

ですから、隣国で核実験が実施されても、円高に振れます。

金融市場では資金が株式から債券に移動中、世界屈指の安全資産と言えば日米国債、ですから日本国債への資金逃避も円高の一因となっています。


オバマ大統領が唯一関心があるのは、己の名前を歴史に刻むこと、「オバマケア」、「イラン核問題解決」、「対キューバ歴史的和解」、そして不法移民への永住権付与を業績として自画自賛していますが、反対勢力は何が何でも潰しにかかります。

その急先鋒がサウジアラビアにイスラエル、そしてロシア、三国とも首脳がオバマ大統領と犬猿の仲です。

ですから必ず、サウジアラビアはイスラエルとロシアの手を借りて、イランの核施設を破壊することになります。

そうでなければイスラエルもサウジアラビアも核武装します。

それをオバマ政権は止められません。

(続く)

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# by dokkyoan | 2016-01-06 19:29

やっと復刊

あらためてご愛顧の程を。


どうも新年は荒れそうですが、最も割を食うのは英国でしょう。

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# by dokkyoan | 2016-01-06 18:21

本格再開

11月から本格的に再開します。


http://blog.goo.ne.jp/4kokintou


も宜しく。

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# by dokkyoan | 2015-11-10 13:47

地方巡業 ~承前~

連合軍の占領下にあった日本において、たとえ皇居におられようと、暗殺を含め昭和天皇の殺害は比較的簡単な作業でした。

それをしなかったのは戦犯として裁く心積もりが戦勝国側にあったから、そしてこれを身を挺して阻止したのが日本国民でした。

あくまで表向きながら、大日本帝国憲法に基づき、当時の帝国臣民に対し戦えと命じた天皇を、戦地に赴いて(或いは民間人も含めて)死ねと言った天皇を擁護したのは、帝国臣民から日本国民に衣替えした我等の父祖(同胞)でした。

実際は「食うために、生き延びるために、持たざる国から持てる国へと変貌するために大陸侵略已む無し」とする帝国臣民と、「戦争をすれば必ず敗れ、そこ苦痛は数倍する」と考える昭和天皇は、逆の意味で鋭く対立していたのですが、ではいずれが正しかったかと言えば「両方が正解」でした。

だからこそ戦後に、「繁栄」と「平和」の両方を日本は手にすることになるのですが、それは統治者(天皇)と被統治者(国民)が手を携えていることが大前提となりますが、その命を以て今日の発展の礎を築いた我等が先人に対して、敬意と感謝の念を持ち続けることは必須と信じます。


GHQに続々と届く「昭和天皇助命嘆願書」を観て、連合軍構成国、殊に米英は異なる印象を持ったと思われます。

そのまえに両国の立場の違いを確認しますと、朝鮮半島南部に軍政を敷いた米国は、中国の河北や直隷地方に軍を進めることは可能ですが、英国としてはそれをされると中国経営は水泡に帰します。

英国にとって幸いなのは、米国が「人道的」で「列強如き野蛮な行為」を忌み嫌う傾向にあることで、相応の口実がなければ出兵の可能性は低いですし、出兵出来ない様にするのが上策です。

日本で泥沼状態に陥れば良いのですが、一部の地域は英国の占領下にあったのでそれは得策ではありません。

とすると「日本を平穏な状態に置いたまま、米軍を身動きが取れない状態にする」が望まれます、しかも米国も納得する形で。

此処から英国の渾身の外交が始まります。

(続く)
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# by dokkyoan | 2013-01-26 12:00

昭和天皇地方巡業

太平洋戦争終結時の東アジア情勢を眺めれば、敗退した日本軍は中国大陸から撤退する一方、その「空白地」を巡って、蒋介石率いる国民党と中国共産党が争奪戦を演じていましたが、戦力で圧倒する国民党が「旨み」のある場所を確保したのは当然と言えましょう。

しかも「旨み」のある場所と言うのは英国の租借地や租界である場合が多く、既に汪兆銘政権がその多くを回収していますが、日本の敗北と共に汪兆銘政権(厳密には国民党南京政権)は崩壊していますから、それを再び蒋介石が回収することになります。

しかも後ろ盾たる米国はソ連と手打ちして朝鮮半島を分割し、南半分に軍政を敷いて睨みを利かせる一方、不凍港の獲得とウラジオストック等の極東主要都市の緩衝地帯確保が目的のソ連は、朝鮮半島の38度線より北側を手中に収めることが確認出来るやいなや、必要最低限の戦力を残し満州地区からすらも兵を引きました。

この間、「租界及び租借地処分」についても「朝鮮半島処分」についても、英国は相談に与っておらず、云わば「蚊帳の外」に置かれていましたが、当時は疲労困憊のうえに欧州経営を巡ってソ連との激突が予想されていましたから、極東(と言うか中国)の重要性は認識しつつも、そこに力点を置く状況にはなく、過日の同盟国日本は敵国であり敗戦国で、しかも全く余力がなく今を生きるのが精一杯でした。

不思議なことに反共産主義感情の最も強い米国が、少なくとも終戦直後に主敵としたのはソ連ではなく英国で、蒋介石を介して中国における英国利権をごっそり手に入れる算段だったと思われ、このことから分かる様に、米国も紳士ぶってはいますが立派な列強です。


戦後の日本は「神風が吹いた」としか言い様のない経済的発展を達成しますが、その前提として政治面で神風が吹いて奇跡が現実のものとなった事実を忘れてはいけません。

まず占領軍を6年で「追い払った」訳で、勿論、武力によってそれを達成した訳ではないですが、これ以上占領下に置くよりも独立させた方が得策との計算が、それを許した方に働いたのは事実ですし、それが可能だったのはソ連軍が駐留していなかったから、つまり二大超大国の一方が日本に対し全く影響力を発揮出来ない状況にありました。

米国だって狙いは中国における経済的収奪及び勢力圏への組み入れであって、日本はそのための道具か足掛かりに過ぎず、ですから当初の扱いはぞんざいなのですが、敗れた筈の日本国民がGHQに向かって「天皇助命嘆願」を続々と送り付けることによって、ポツダム宣言であれだけ揉めた「国体の護持」の保証を占領下で受けることになりました。

天皇助命はおそらく自然発生的なもの、少なくとも陰謀論で語るには無理があると思われますが、日本国民の行動をみた米国は怯えると共に一定兵力の日本駐在を決定せざるを得なくなり、それが大陸経営の躓きの第一歩になったと言えますが、逆に「日本はまだ使える」と考えたのは英国だったと考えられます。


昭和天皇の地方巡業は日米英の思惑が入り乱れる形で始まったと思われますが、発案者は英国ではないか、そう考えるとエリザベス女王即位時の英国王室の当時の皇太子に対する待遇や、あのダイアナ妃の来日パレードを無理なく説明することが出来ます。

(続く)
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# by dokkyoan | 2013-01-25 16:43
これは日本が変なのか英国が酔狂なのか、俄かには判別し難いですが、ダイアナ妃夫妻(と言うかチャールズ皇太子夫妻)が来日し、皇太子妃を一目観ようと沿道に9万人の日本人が詰め掛ける中、パレードが行われました。

美智子様(今の皇后陛下)のご成婚パレードも凄かったですが、これは皇室つまり日本国の出来事であり、海外には無縁の話ですが、ダイアナ妃のパレードは「戦勝国の国家元首の息子夫妻が、敗戦国に赴いて熱烈な歓迎を受けながらパレードの重責を果たした」ことを意味します。

ダイアナ妃夫妻は英国と日本以外でパレードをしたかは存じ上げませんが、母国は兎も角、日本でする義理もなければ必要もない、ですが敢えてそれを実行に移したのには、それなりの利点があったからだと思われます。


前回、「昆布の道」と「阿片の道」を取り上げましたが、薩摩については「砂糖の道」も考慮する必要があるのではないか、勿論、日本国内でも奄美或いは琉球産砂糖が流通したかも知れませんが、中国に売り捌いていたのは大英帝国の商船ではないか、と言いますのも「阿片密輸の中継地点や船舶の停泊地」かも知れませんが、琉球や奄美は特産物砂糖の産地でもあり、それを売り捌かない手はないと思われます。

つまり薩摩は大英帝国一辺倒で、これに対し幕府は「紳士的=非列強的」な米国と最初に修好通商条約を結ぶことで、有利な条件でその他の列強とも開国することに成功しました。

しかも幕府は開国後、最も重視したのが対英外交であり、これは当時最強の列強が大英帝国ですから当たり前です。

但し、幕府は開国に消極的でしたが、薩摩は既に開国状態にあり、阿片戦争も煎じ詰めれば「大英帝国の要求通りに清朝が開国するかどうか」を巡っての争いでしたから、隙あらば鎖国(孝明天皇は日米和親条約の線にまで戻すと言う幕府案に賛成していた)を狙う幕府に加担することが出来ず、尊皇攘夷で幕府案を潰す一方、倒幕の暁には全面開国すると言う薩摩案に乗りました。

ですから尊皇は言ってみれば大英帝国のお墨付き、君主制は同じ政治形態を望むもので、特に共和制はあの米国が採用した制度ですから違和感と不快感が拭えません。


ダイアナ妃を日本人は熱狂的に受け入れましたが、これだけの影響力を持つ米国人(特に女性)が存在しないのは米国が共和制だからで、英国はその政治的資産を日本から世界に発信しました、「英国未だ侮り難し」と。

勿論、それ以外にも具体的な国益が絡んでいると思われますが、戦後間もない時点でのエリザベス女王即位式典に当時の皇太子(今上天皇)が招待されたのも異例と言えば異例で、日英間には恩讐を越えた何かがあるのかも知れません。

(続く)
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# by dokkyoan | 2013-01-20 13:25
以前読者からご教示頂いたが、中国人的感覚から言えば、毛沢東にとっての「義兄弟」的存在と言えば周恩来だそうで、中国人の間ではこの点について異論の余地はないそうですが、この義兄弟、お兄ちゃんの方が何度か弟を粛清しようとしていますし、利用しつつも常に隙あらばそれを衝こうとする「辛い」間柄でした。


周恩来が属する周一族は、毛沢東からも紹介席からも酷い仕打ちを受けましたが、これは周家が胥吏階層の名家(と言うより「元締め的存在」)で、必然的に羽振りが良かったことも影響していると思われます。

魯迅(筆名)も一族の出身で、その弟に周作人がいますが、この人物は太平洋戦争終結後に蒋介石が実施した一連の漢奸裁判の中で「文化漢奸」として裁かれています。

その罪状も「日本の占領下において教育機関の要職に就いた」と言う、言い掛かりでしかない様な罪状で懲役14年(後に10年に減刑)の実刑判決を受けました。

ついでに言えば、周作人の悲劇はまだ続き、文化大革命の際に魯迅未亡人が槍玉に挙げられた際の「罪状」が、漢奸たる周作人の面倒を観たというもので、国民党総裁の蒋介石が与えた「漢奸」と言う不当な刻印を、文革派の連中は臆面もなくそれを無条件に認めて相手を攻撃しています。

つまり毛沢東を初めとする文革派が如何に周一族を憎んでいたか、その没落を心待ちにしていたかが分かる話です。

周恩来と蒋介石は結構近い関係にあるのですが、周作人に「文化漢奸」の烙印を押した瞬間から両者は不倶戴天の敵になったと思われます。

ですから「文化」大革命が始まった時、最終的な標的は己であると周恩来なら理解していたでしょうし、この名称を用いた毛沢東もそのつもりだったと思われます。

文革を開始するにあたって、毛沢東(党及び裏社会)、林彪(軍閥)、そして周恩来(国務院及び胥吏)は互いに攻撃しないことで手打ちしたとの説もあるが、周恩来が真に受ける筈もなく、周恩来が胥吏階層の元締めの家柄ならば、その大番頭に相当するのが宋平であると小誌は睨んでいるが、その宋平が赴任する甘粛省に旧宗族階級を含めた名家の子弟を匿うと言う巧妙な策に出ました。

文革はそもそも劉少奇に象徴される旧宗族階級に対する毛沢東の憎悪が、国家経営の失敗の責任を取る形で一線から無理矢理退かされたことで血で血を洗う権力闘争の形を取ったのですが、毛沢東の狙いは旧宗族階級を根絶やしにし、返す刀で周恩来を粛清するつもりだったのでしょうが、周恩来は文革派のふりをしながら最初の標的たる旧宗族階級に対し秘かに支援していたと思われます。

つまり己の出身階級を守るために旧宗族の連中を文革派にぶつけた訳で、死に物狂いで対抗して貰わないと困るから、名家の子弟は預からせて頂いた、つまり「人質」な訳で、宋平の庇護の基にあった胡錦濤氏や温家宝氏が周恩来氏に冷淡なのも、おそらく一族を矢玉の盾にした恨みがあるからと思われます。

その内に毛沢東と林彪を離間させたのは周恩来でしょうが、それにしてもこの義兄弟、辛すぎます。

(続く)
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# by dokkyoan | 2013-01-19 17:15

回天資金

近世中国を蝕んだ最大の癌の一つが阿片(麻薬)であったことに異議を挟む余地は少ないと思われますが、その災禍は今も解消したとは考えられません。

これは文革時代の話ですが、林彪だったかそれに近い高級幹部が阿片を喫煙し過ぎて「役立たず」になり、夫人に愛想を尽かされたと記憶していますが、これは軍関係者にとって阿片は入手が簡単な代物であったことを物語っています。


中国に限らず日米を含め世界各地で麻薬や覚醒剤が蔓延しているのは紛れもない事実で、マリファナ等の「軽度な」麻薬の合法化の動きもありますが、これって「地獄への入口」をお上が公的に容認する様なもので、軽度であろうと重度であろうと麻薬取引には裏社会が絡んでいるのは当然で、「軽い」もので心理的な壁を取り除いておいて「重い」ものに連れて行くのが連中の手口です。

だから権力が現状追認するととんでもないことになるのですが、日米と中国の違いは、国家元首や最高権力者或いはそれに準ずる人間集団が麻薬や覚醒剤に無縁(と思われている)のが前者なのに対し、むしろ切っても切れない仲なのが後者たる中国ではないかと言うのが弊意です。

乾隆帝は阿片喫煙者だったと言うのが小誌の持論ですが、後を継いだ嘉慶帝の初仕事が阿片禁令の発布でしたから、清朝は「上から」そして「中から」腐ってきたことになります。

国家元首や最高権力者の行為は、たとえそれが法に触れてもお咎めなしなのが中国で、ましてや儒教のお国柄ですから父親の悪口は口が裂けても言えない、とすると取り締まるにも取り締まれなくなります。


話は飛びますが、沖縄県の昆布消費量が多いのは、江戸時代後期には日本海側を伝う様に「昆布の道」が出来ていたからで、当時の琉球王国は実質的に薩摩藩の占領下にありましたので、この「昆布の道」は薩摩が扼していたことになります。

常々疑問だったのですが、薩長の倒幕回天資金の出所は何処か、教科書では薩摩は砂糖の密貿易で資金を蓄え、長州は専売制の施行と朝鮮半島との密貿易で潤沢な資金を得たと言いますが、薩摩藩は島津斉彬の代に至るまで頭抜けて貧乏でしたし、長州だって威張れた財政運営はしてきませんでした。

ですが「昆布の道」を延長すればどうなるか、換言すれば船員を休息させたり船舶を修理し、或いは貨物を保管する云わば「休憩所兼中継所」的な存在を求めるとすれば、それなりの統治能力を持った政治集団が支配する琉球や奄美諸島がその候補となりえます。

お分かりと思われますが、「昆布の道」と「阿片の道」は一部で重なっていまして、広州から琉球、奄美を経て薩摩に至り、更に長州から対馬、そして朝鮮半島へと繋がるのが「阿片の道」、これなら回天資金の出所も辻褄が合います。

だから維新政府は阿片と厳禁とし、幸い天長とその周辺はこの薬禍に無縁でしたので、遠慮することなく防圧することが出来ました。

大英帝国としても貧乏だけど尚武の精神が強い日本を相手にして手こずるよりは、格段に懐が豊かでしかも文弱な中国に集中した方が効率的です。

やるもんです、近代日本。

(続く)
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# by dokkyoan | 2013-01-15 23:34